Robert Fripp (Guitar) The League of Gentlemen, Giles Giles and Fripp, King Crimson  

バンドの質を決定する要素は、いかにバンドが音楽をプレイするかではなく、いかに音楽がバンドをプレイさせるかなんだ。


Keith Tippett (Piano) The Keith Tippett Group, Ovary Lodge, Solo

自分は音楽に向いていると思う。神が私の小さい頃から音楽で人の心をつかむような才能を授けてくれたと思っている。もし明日死んだとしても、音楽は永遠に残る。音楽はお金のためじゃない。もちろん家族もいるわけだから、食べるためのお金は必要だよ。もし大金を手にしたいと思えば、キングクリムゾンに入る。お金のためじゃない音楽に興味があって私の音楽を聴いてきてくれた人々を裏切りたくないし、自分自身も裏切りたくない。ステージに立った時、私はオーディエンスに音楽を伝える忠実な従者になる。何かが私に降りてきて、それをオーディエンスに伝える道具に自分がなるということだ。プロフェッショナルであるためには、別にアーティストである必要はない。


Jamie Muir (Percussion) The Music Improvisation Company, King Crimson

日本のカルチャーを取ってみても、人のコピーをしないでオリジナリティを出すというのは、古いものを、つまり伝統をずっと大事にしていきなさいっていう意味じゃなくて、そのカルチャーのキャラクタリスティックというか特質のようなものがあって、そういうものをもっとコンテンポラリーなものにしていくという意味だと思う。伝統は伝統であるものだけど、昔から続いている同じ事を、そのままずっと保存していけばいいかって言えば、それでは面白くない。だから、別に歌舞伎をコンテンポラリーなものにしようというのではなく、そういう要素のようなものを、時代、時代に生きたものとしていくということに近い。


Bill Bruford (Drums,Percussion) Yes, King Crimson, Gong, National Health, U.K., Earthworks, Anderson Bruford Wakeman Howe

我々が試みているのは、様式的に書かれたものとインプロヴィゼイションとの境界線を無くすことだ。


John Wetton (Vocal,Bass) Mogul Thrash, Renaissance, Family, King Crimson, Roxy Music, Uriah Heep, U.K., Wishbone Ash, Asia, Solo

僕はファミリーとクリムゾンに参加することで初めて、成功を知った―――そしてそれは当時、プログレッシヴロックという名で知られているジャンルの音楽だった。その特徴として、3、4分のアイディアがあったら、それを6分から10分まで引き伸ばすのが一つのスタイルだった。そして生まれる成果も沢山あった。でも70年代も終わりに近づくに従って、プログレという言葉が僕には足かせになってしまった―――ある壁を解体するという理想で始まったものが、全く正反対のものになりはてて、過去に演ってきたもののコピーに終始するという、もはやパラドックスさ。


Robert Wyatt (Vocal,Keyboard,Percussion) Wilde Flowers, Soft Machine, Matching Mole, Solo

自分の曲をやるのは実に難しい。だから俺はカヴァーをやったり、他の人のプロジェクトに首を突っ込んだりする方が好きなんだ。一人で仕事をしていると恍惚状態に陥って、自分がどんなものを作るのか、ほとんどまるでコントロールが効かないんだ。曲はたいていひとりでにできてくるから、「クリエイティヴ」という言葉には語弊がある。俺の場合はもっと魚釣りに近い。キーボードの上に釣り糸を垂れて、何かが自分に飛びついてくるのを待っているんだ。

かつてウィリアムバロウズがパリでこんな不思議なことをやったよ。彼はスポットライトをあてられて座っていた―――テープレコーダーが彼の詩を朗読する間、黙って座っているだけだった。すごくかっこよかった!あの時以来ずっと考えてたんだけど、究極的にあれが俺のやりたいパフォーマンスだよ。誰かが俺をアイアンサイドみたいに車椅子に座らせて、俺のレコードのテープをかけるんだ。俺を見たいんだって?ここにいるじゃないか!でも歌うことまでは期待しないでくれよ。俺はマルチタレントじゃないんだから!


Kevin Ayers (Vocal,Guitar) Wilde Flowers, Soft Machine, Solo

俺達はそれほど上手くなかったし、あまりにも白人だった。だから自分達なりにため込んだネタを元にして、オリジナルの白人音楽をでっち上げたんだ。なんだか妙なものになったけどね。俺達がやったことは常にエキサイティングだった。時として音楽がひとりでに生まれるような感じだった。これを俺はソフトマシーンでしか体験したことがない―――俺はあの時以来、表現の自由を持ったことはないよ。自分達の方が客よりも楽しんでたんじゃないかな。ソフトマシーンには”てやんでぇ”的な精神があった。客をバカにしてたわけじゃないけど、気に入ってもらえなくても別に構わなかった。ロバートワイアットは客の受けをもっと意識してたみたいだけど。


Hugh Hopper (Bass) Soft Machine, Hugh Hopper Band

それは俺達が外部からの様々な影響に対してオープンだったということだと思うな。インド音楽とか民族音楽、だからただ単に・・・・・・当時カンタベリーで演奏していたほかのバンドのほとんどは、みんな似たような音楽をやってばかりいた。彼らはロックかポップかカントリーかウェスタンかをやっているだけだった。ところが俺達は沢山の異なることに関心があったんだ。


Peter Gabriel (Vocal, Keyboard) Genesis, Solo

自分の音楽作りのアプローチを一言で説明しなくてはいけないとしたら、複数の異質な要素を扱ったり、対照させたりするという考えに尽きるかな。例えば、住んでいる国にしても2つの異なる英国に同時に住んでいるようなもの。フォーク音楽の影響の色濃い、有機的(オーガニック)な歴史の国としての英国と、アジア、アフリカ、アイリッシュ、それにインダストリアル/コンピューター系楽器の影響の強い現代の英国と。有機的な楽器とテクノロジカルな楽器はそれぞれが違う役割を果たすんだ。だから僕は全部を使う。もしも有機的な楽器だけしか使わないとしたら、それは、ある画家が“青色の絵の具はまだ発明されたばかりなので使いません”と言ってるみたいなことになってしまう。
男の子向けのおもちゃの新しいのが出るたびに夢中になるような子供だったんだよね。おそらく父が電気エンジニアだったからだと思うけど。使えるサウンドは全部使わなくては気が済まないんだ。新しいテクノロジーは新しい表現の可能性をアーティストに与える。これは言葉にできないほどエキサイティングだ。


Sting (Vocal, Bass, Guitar) Police, Solo

僕は自分のことをロックミュージシャンだと思ったことは一度もない。ロックを否定する気持ちもない代わりに、ロックだけが唯一のすばらしい音楽だとも思っていない。限定されたジャンルに縛られず、どんな音楽からも影響され、その影響を混ぜ合わせて新しいものを創造したい。僕には、絶対にこれだと言い切れる音楽的なルーツはない。そうした意味の音楽的な核を信じているわけではない。


Eddie Vedder (Vocal) Pearl Jam

成功は自由をもたらすものだと思っていたが、実際にはその逆だった。


Rob Gallagher (Vocal) Galliano

コルトレーンの「インプレッションズ」や「エキノックス」で感じたものと、タ―ミネ―ター(Public Enermy)に感じたものがすごく似ていたんだ。もしコルトレーンが現在もまだ活動していたなら、きっと狂ったようなハウスのリズムにのっていただろうな。


Eric Dolphy (Flute,Bass Clarinet,Alto Sax)

インスピレイションというやつは、付きあってくれるミュージシャンたちが、おたがいの気持ちを理解し合うことによって、それだけ自然発生的に浮かび上がるもんだよ。


Miles Davis (trumpet)

俺がその気になれば世界一のロックバンドだって作れるさ。


Don Was (Producer)

リミックスは、ジャズにおいて、アドリブが生み出す、無数の異なるヴァージョンと同じものだ。


サイトウ マコト (Desiner)

クリエイターという生き物は相手が信頼して任せてくれたとき、それはものすごい力になると思うよ。だけどいま、いろんなメジャーな広告表現をあちこちで見るんだけどちょっとパワーがないんだよね。ものすごく緻密でうまいんだけど。それはクリエイター側の責任というよりクライアントの広告に対するレヴェルの低さが出ていると思うんだ。力のあるクリエイターはけっこういるんだけど、相手がクリエイターの背丈で話ができないから、こっちが相手の背丈に合わせて、しゃがんで話をして仕事していくしかないわけよ。クライアントももう少し広告や、デザインを勉強して欲しいよね。そうじゃないと、レヴェルの低い相手ばっかりで、ずーっとしゃがんでばかりいるから、背中が曲がって頭がジジィになっちゃうよ。


沢 彰記 (Synthsizer Programmer,Free Writer)

現在の音楽愛好家のパターンの1つとして、じっとパソコンに向かい合って、その実ノリノリの曲を打ち込んでいたりすると「あ、あの……楽しい?」とか聞きたくなる。これがMIDIの功績として「今まで、音楽に楽しめなかった人も、音楽の中に入っていけるようになった」と言えるかどうか疑問なところにもなるところだ。ただ、おもしろく感じるところは、ギターなど全然弾けない人が、打ち込みデータではニュアンスを表現できているのに出会うこと。こういう人は、きっとギターが弾けたら、実に天才的なプレイをするんだろうなと思う。
つまりは、感性が豊かな人は日々是精進的な楽器練習をしなくても、楽器テクニックを手に入れられるというのも不思議なところである。このような潜在能力を形にしてくれるMIDI機器というのが、数多く登場して欲しいものである。
しかし、難点というのは音楽を形成する音質というものにあるようだ。DTMでデータ制作テクニックが、上級クラスの者がいた。ソフト上でミキシングさせても、実にいいデータを作る。では……というので、実際のレコーディング現場でミキシングをさせてみたのだが、これが、まるっきりだめであった。つまづいたのはイコライザー、ディレイなどDTM音源にはないエフェクターが使えなかった。つまりは、すでに音としてできあがっているDTM音源のサウンドに慣れていると、生音を1から作り上げるセンスは作られていないことになる。
さらにソフト上ではリバーブでもコーラスでもデプス調節だけなので、その種のエフェクトテクニックの真なるところが身についていないのである。DTM上級者はMIDIを扱う上での上級者であって、音楽を作る上級者とはいえないと思った瞬間である。


Bob Ludwig (Mastering Engineer)

いわゆる“普通”のCDをレコーディングするときでも、僕のADコンバーターは、信号を176.4kHzで取り込んで、内部的に44.1kHzにダウン・サンプリングしているんだ。あるいは、88.2kHzでレコーディングし、すべての加工をその状態で行ってから、最後になって初めて44.1kHzにダウン・サンプリングすることも多い。これが最高のCDのクオリティを実現すると個人的に思っている。デジタル画像と似ているかもね。デジカメが最初にコンシューマー向けに出たときには、スペックが低くて見栄えの悪い画像しか撮影できず、最高品質モードで撮った画像ファイルですらわずか60kBの大きさでしかなかった。それが今では200〜500万画素のデジカメがあり、画像ファイルは700kBから数MBもの容量を持つことができる。これらのファイルをAdobe Photoshopでダウン・サンプリングして、Webページに載せるような60kB程度のサイズに縮小したとしても、結果としてできる画像は最初から60kBになるようにして撮影したファイルとは比べものにならないほど高品質になる。だから可能な限り高解像度でマスタリングを行う方がいい。コンシューマーの手に渡る最終的な商品が、違いを表してくれるはずだ。


小林亜星 (Composer)

音楽のテンポっていうのは、映像に合わせていじくるようなものじゃないんですよ。これ宇宙の原理だからね(笑)。実際にディズニーなんて音楽のほうを先に作って、映像のほうで合わせてるでしょう。それが本当なんですよ。それをいくら言っても映像の人は分からない。逆に誤解されちゃうの。
音楽に映像を合わせたほうが、絶対にいいリズムになるんですよ。音を映像に合わせるとリズムが出なくなっちゃう。ディズニーはそれが分かってたんだね。音楽的な教養があったんですよ。