Robert Wyatt
 (Vocal,
 Keyboard,
 Percussion)
Wilde Flowers, Soft Machine, Matching Mole

自分の曲をやるのは実に難しい。だから俺はカヴァーをやったり、他の人のプロジェクトに首を突っ込んだりする方が好きなんだ。一人で仕事をしていると恍惚状態に陥って、自分がどんなものを作るのか、ほとんどまるでコントロールが効かないんだ。曲はたいていひとりでにできてくるから、「クリエイティヴ」という言葉には語弊がある。俺の場合はもっと魚釣りに近い。キーボードの上に釣り糸を垂れて、何かが自分に飛びついてくるのを待っているんだ。

かつてウィリアムバロウズがパリでこんな不思議なことをやったよ。彼はスポットライトをあてられて座っていた―――テープレコーダーが彼の詩を朗読する間、黙って座っているだけだった。すごくかっこよかった!あの時以来ずっと考えてたんだけど、究極的にあれが俺のやりたいパフォーマンスだよ。誰かが俺をアイアンサイドみたいに車椅子に座らせて、俺のレコードのテープをかけるんだ。俺を見たいんだって?ここにいるじゃないか!でも歌うことまでは期待しないでくれよ。俺はマルチタレントじゃないんだから!